医学書を書くとき、あなたは“誰”に向けて書いていますか?
医師としての価値観や悩みは成長とともに枝分かれしていきますが、学生~初期研修医の時期は、いわばまだ“幹”の部分。
同じ悩み、同じ課題を共有しやすい太いマーケットに位置しています。一方、専門医向けなど枝葉の先にある書籍はニッチながら、熱狂的な読者を生みやすい領域でもあります。
1. 幹のマーケットを狙うメリット
医学生・初期研修医向けの本は、とにかく読者層が厚い。国家試験対策、初期当直ハンドブック、ロジカル診断の入門書など。
どの世代でも必要とされ続けるため、版を重ねやすく、改訂のたびに“次の世代”へ受け継がれていきます。
ただし幹が太い分、ライバル書籍も多いのが現実。「内容に何を足し、どう差別化するか」が必須です。たとえばストーリー仕立てにする、症例のイラストを豊富にする、最新ガイドラインを即時反映する、コンセプトや切り口を新しくするなど、埋もれない工夫が問われます。
2. 枝葉に分岐した専門書の熱量
集中治療の呼吸モニタだけ、膠原病の皮膚症状だけ――そんな尖ったニッチにフォーカスした書籍は読者数こそ少ないものの、「ここまで書いてくれた!」という深い感謝と熱量が得られます。講演依頼や共同研究など、周辺ビジネスが広がる可能性も高い領域です。
枝先は先細りしますが、その先にいる読者は粘着性が強く、SNSでのクチコミも生みやすい。専門性を武器にしたい人には魅力的なフィールドと言えるでしょう。
3. あなたの原稿はどこを狙っている?
今書いている原稿が幹なのか枝葉なのか――まずは俯瞰して位置づけましょう。対象が幹であれば、「誰でもわかる」だけでなく「読後にすぐ行動できる」コンテンツが不可欠。一方、枝葉なら「ここでしか読めない深掘り」と「最新エビデンスのアップデート方法」が鍵になります。
いずれを選ぶにせよ、ターゲットを明確に意識し続けることで、編集者との打ち合わせもブレません。幹⇄枝葉の移動を許す“可変フォーマット”を採用するのも一手です。
4. 幹で埋もれないための工夫
幹の書籍は王道+αがカギです。たとえば、
- 症例ベースの物語性を加える
- 読者が手を動かせるワークシートやチェックリストを挿入する
- 初版刊行後、SNSでフィードバックを募り即時特典資料PDFを配布する
多くのライバルのなかで、以下に差別化するかを意識するイメージです。
枝の本は、ひたすらニッチにとがらせる。出版社が想定読者が減りすぎて敬遠しない程度で…。
5. まとめ――バランス感覚を磨こう
もちろん、医学書執筆は幹を狙うか、枝葉を極めるかの二択ではありません。大切なのは「自分の本がどこに立つのか」を常に俯瞰する思考回路です。幹であっても枝葉であっても、読者の期待を超える工夫を凝らすことで、あなたの一冊は確かな価値を放ちます。
さあ、あなたの次の企画書――その狙いは幹でしょうか? それとも枝葉でしょうか?
書き始める前の“立ち位置確認”、ぜひ意識してみてください。
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