【診断学をアップデート】ロジックツリーで見えてくる診断学の糸口を学ぼう! 

お疲れさま、診断に悩んでいるみたいだね。どんなところで困ってるの?

はい、診察していて「この症状から何を鑑別すればいいんだろう?」と迷うことが多いんです…。指導医の先生ってどうやって素早く診断を絞っているのか不思議で。

あるある。鑑別診断の組み立てはロジック(論理)が大事なんだよ。闇雲に経験に頼るんじゃなくて、ちゃんと思考の地図を描けば研修医でも的確に診断に近づける。そんな”診断推論の魔法”を教えてくれる本があるよ。『研修医のための 魔法のロジカル診断学』だ。

魔法のロジカル診断学…ですか?ロジックツリーって何だか難しそうですが、僕にも使いこなせますかね?

心配無用!この本は会話形式で進むから読みやすいし、楽しみながらロジックツリーの使い方が身につくよう工夫されている。総合内科のエキスパートが書いた信頼できる内容だし、きっと診断のコツが掴めるはずだよ。

それはぜひ読んでみたいです!

1.本書の概要とターゲット層

【タイトル】研修医のための 魔法のロジカル診断学 ロジックツリーで診断のプロに変身!
【著者】小栗 太一(旭労災病院総合内科 主任部長)
【出版社】じほう
【発行年月日】2023年
【ページ数】A5判・352ページ
【価格】4,950円(税込)

診断推論の思考プロセスを<ロジックツリー>を用いて可視化し、論理的に診断を組み立てていく方法を教える実践的ガイドブック。
研修医を主な対象としつつ、診断推論に悩む若手医師全般に役立つ内容となっています。

2.魔法のロジカル診断学とは?(本書の特徴)

  • 会話形式で読みやすい構成
    架空の指導医と研修医の対話形式で進むため、まるでカンファレンスに参加しているような臨場感。
    「この症状、どう考えればいいですか?」という疑問から始まり、「なるほど、そう考えるんですね!」と理解できる展開。
  • ロジックツリーで思考を可視化
    症状から徐々に分岐していく思考フロー図が全18章にわたって掲載。鑑別診断の筋道が目で見てわかる工夫が随所に。
  • 症状別の診断アプローチ
    浮腫、失神、ショック、腹痛、意識障害、発熱、関節痛、胸痛など、研修医が直面しやすい症状を網羅。

    症状ごとの特有の考え方が学べる

    ため、明日からの臨床で即実践可能。

  • 実践的テクニック満載
    「3STEPの問診」「ヤバい胸痛を瞬時に見極めるコツ」など、現場ですぐに使える実践的なテクニックが満載。教科書的な理論だけでなく現場感覚を養える。

3.目次と主な学習内容

本書は全18章からなり、

【総論】→【症状各論】→【症例演習】

の流れで構成されています。具体的には:

  • 序章・第1章 – 診断推論の基本とロジックツリーの考え方
  • 第2章~第16章 – 主要な症状別のロジックツリーと診断アプローチ
    • 浮腫、失神、ショック、腹痛(一般~産婦人科疾患)
    • 意識障害、発熱(急性・慢性)、関節痛、胸痛 など
  • 第17章・第18章 – より複雑な症例に対する診断推論の実践
  • 巻末 – 志水太郎教授(独協医大)による書評

一つ一つの章が指導医と研修医の対話→症例提示→ロジックツリー展開→解説というパターンで統一されており、読み進めるほどに診断思考の型が身につく構成になっています。

4.読者層別メッセージと魅力

「経験がなくても論理的に考えれば正しい診断に近づける」という希望を与えてくれる一冊。

  • 医学生・初期研修医1年目
    鑑別診断の組み立て方の基礎を習得。
    症状から系統立てて考える思考の型を早い段階で身につけられます。
  • 初期研修医2年目
    よくある症状の診断アプローチを体系的に整理。
    外来や当直で独力で診断を進める力がつき、上級医への適切な相談もできるようになります。
  • 内科系後期研修医
    複雑症例への対応力が向上。
    多様な症状に対する思考法の引き出しが増え、診断の精度と速度が上がります。
  • ER・総合診療医志望者
    様々な症状に対する統一的なアプローチ法を習得。
    未分化な症状から効率的に診断を絞り込む技術が磨かれます。
  • 研修医指導医
    研修医への教育メソッドとして活用可能。
    「なぜそう考えるのか」を明示的に説明できる教育法を身につけられます。

5.まとめ

「診断推論の苦手意識を持つ研修医が、ロジックツリーという思考ツールを身につけて診断のプロへと変身するための実践書」

会話形式で読みやすく、イラストや図解も豊富なため、忙しい研修医生活の中でも少しずつ読み進められます。「なんとなく」で診療していた研修医が「なぜそう考えるのか」を言語化できるようになる、診断思考の成長を促す一冊です。

ぜひ一度、手に取ってみてください!

▼星評価(★1~5評価)

  • 必要性: ★★★★☆(鑑別に悩む研修医は必読。「診断推論の苦手を克服する指南書」として高評価)
  • 本の薄さ: ★★★★☆(A5判352ページと情報量たっぷり。ただ会話形式で体感的な厚みはそれほどでもない)
  • わかりやすさ: ★★★★★(対話+図解で直感的に理解可能。「頭にスッと入る」と評判)
  • 面白さ: ★★★★★(研修医目線のストーリーが面白く、自主勉強が苦にならないとの声)
  • 継続使用度: ★★★★☆(一通り読んだ後も、症例検討や後輩指導に再活用できる良書)
  • オススメ度: ★★★★★(Amazonでも★5.0満点。【診断学の面白さ】を体感できる一冊として大推薦)